このように、日本ではあまり見慣れないが、イタリアでは二輪車の後部座席に子供を乗せることは、車の助手席に子供を乗せることと同じくらい日常茶飯事なのだ。
最近、自動車による事故が減少している一方、二輪車による交通事故が増加しており、2006年には1,500人が死亡、50,000人が重軽傷を負ったという。また、それらの事故の70%は街中で起きており、後部座席に乗った子供が事故にあうケースが増えているとう。そこで、イタリアの上院において二輪車の安全についての新しい法律案が可決された。その内容とは、「5歳以下の子供は二輪車の後部座席に乗せてはいけない。12歳以下の子供を同乗させる場合には、子供専用の背もたれと足を固定するペダルを設置しなければならない。運転手は両親のいずれかでなければならない。友人や親戚は不可。時速60km以下で運転すること。」少々厳しいかのように思われるが、ドイツなど他のヨーロッパ諸国では既に常識となっていることなのだ。また、285ユーロまでの罰金、二度目の違反の場合には60日から90日までの免許停止とこちらもかなり厳しいものになりそうだ。
この法律が施行されれば、子供専用背もたれなどの付属品販売によってちょっとした経済効果が期待されるだろう。しかし、小さな子供を乗せるスクーターが走っているのを街中で見かけると、危なっかしいなと思う反面、あー、ここはイタリアなのだ、と感慨にふけっていた私にとっては、この光景が見られなくなることは、イタリア名物が一つ消えゆくような気がして少々寂しくもある。とはいえ安全のためならしょうがない。この法律に対するイタリア国民の反応とはいかなるものか?