イタリア スクーターにフォーカス !italscooter.netは現地イタリアから最新情報をお届けします。

"Vespa GTS 300 Super"が登場

潜水のよろこび

2008 Jan.-Apr.
Italian Market
Summary

万全を期す
スポーティライン

Xシリーズの新作X7

"RS"SpiderMaxに
新グレード

ついに"Gilera GP800"が登場

ついに"Vespa S"が
登場

ハイブリッドMP3

小さな同乗者を守れ

最高の
"アペ"リティフ

融合、そして進化
Piaggio "XEvo"

単なる電動自転車とは呼ばせない"E-Solex"

Honda "S"-Wing誕生

Gilera Fuoco 500i.e.
フォトギャラリー

すべるスクーターと
デモ行進

Malagutiの
ニューハイホイール

インド市場を
席巻するVTL

吸引力はナンバーワン

冬季限定!
ポケットコーヒー

Atlantic Sprint 400
を追加

祝"Vespa"10万台

Derbi New Boulevard 誕生

復刻ヴェスピーノ、"Vespa S"

ペルラチッタ、
Yamaha X-City 250

Moto or Scooter?
Gilera GP800

Gilera Fuoco 500i.e.

Novita' dell'anno 2007

誕生Piaggio Carnaby 125-200

Piaggio MP3 400i.e.

マキシ三輪スクーター
"FUOCO
"

誕生、Honda SH300i


From Editors
伊太利亜産スクウテルのすゝめ
そもそも、イタルスクーターとは何なのか?「個性的で、存在感あるスタイル」とか、「ラテンの熱い血さわぐ」が、などの陳腐な言葉抜きで綴った、伊太利亜スクウテル学を要約。




第一章
長い長い人類の歴史を刻む欧州の国々は、未だ往時のままの都市構造をとどめている。建造物を迂回するように道路が入りくみ、そのわずかなすき間を二輪と四輪が蛇行しながら、我先にと殺到する。こうした地域において、擦りぬけやすく停めやすい二輪車は、もはや彼らの日常生活とは切り離せない。そうしたなかで、従来の自転車、モペッドに代わり、主役を演じるまでに成長してきた、最も手軽な二輪車、すなわち、スクーター。
なかでもイタリアは、全ヨーロッパで走っている50ccスクーターの半数を占める。基本的に免許が不要※1で、しかも14才から乗ることができ、つい最近まではヘルメットも要らず、日本の自賠責にあたる保険料と車両税を払えば車両の登録もしなくて済む。まるで自転車のような手軽さが老若男女問わず、人々に受け入れられきた。
このような都市構造、寛容な交通法規などを背景に独自の二輪文化の下地が作られ、巨大マーケットを生み出す原動力となっていく。

現在ヨーロッパにおける登録スクーター(51cc以上)の、3分の2はイタリア市場に集中する。250cc以上に限ればその比率は80%にまで迫る。まさにこの国は世界一のスクーター王国へと変貌していったのである。無論、世界一といっても、"数"だけの話ではない。ましてや、イタリアの全人口は日本の半分ほどである。ではなぜ、イタリアがスクーター王国であるかというと、その所以は市場の多様性にある。

カンパニリズモ(郷土愛)の国と称されるイタリア。地域ごとに形成される個性豊かな文化は、想像以上に多岐渡り、統一前のイタリア半島が今日に息づいている。それはスクーターの志向にもあらわれる。ウインドスクリーンを立てた台湾製スクーターが広場に溢れかえる北西の港町ジェノバ。スーツ姿で跨った、最新の大型スクーターが並んで信号待ち。世界へ向けてトレンドを発信する、商業の中心地ミラノ。自転車、電動スクーター、4サイクル50ccスクーターが共存。公害対策を進める、ルネッサンスの街フィレンツェ。二輪トップメーカーHondaが最重要都市と、居を構え、圧倒的な市場シェアをSHで築き上げた、永遠の都ローマ。劣悪な道路をタンデムのハイホイールスクーターが行き交う、南部イタリア最大、カオスが支配する街ナポリ。そして、有力ディーラーの一声が市場を動かす。影潜む、異文化が混じり合う街パレルモ。それぞれの街の駐輪場にはその特徴が顕著に現れる。

免許制度も多様化を増長する。現道路交通法では、1986年1月1日以前に普通四輪免許を取得している者に対し、付帯で、どんな排気量の二輪車にも乗ることを許している。86年の時点で四輪免許を取得した、18才以上だった者、つまり、三十台後半以上の多くの人たちが自由に二輪を選ぶ権利を得ている。結果、免許不要※1の原付に乗る14才になったばかりの年少者から、高速道路を利用し、夫婦でタンデム旅行をするといった、生活にゆとりのある年配者までが、それぞれの趣向を持つ、レンジの広い市場が保たれている。

街角で出会うスクーターは本当に様々だ。なかには見たこともないモデルも、メーカーもある。Vespaを筆頭とした、イタリアンメージャーブランドだけでも、Piaggio、Gilera、Aprilia、Malaguti、Italjet、Laverdaなどが挙げられるが、これに日本、台湾をはじめとしたアジア諸国のメーカーなどが加わり、確認されているだけでも、300以上のブランドがこの地中海に突き出た、狭い長靴の上で凌ぎを削っている。東からの大軍は技術の粋を集めた自信作を、現地のニーズを汲んだ、現地生産車を、圧倒的に安い労働力で実現させた低価格車を次々に投入してくる。これらに対しイタリアメーカーは、地の利を生かした名機を生み出し対抗する。

こうして、独自の二輪文化を基盤とした、イタリアのスクーター市場は、サプライヤー、カンパニリズモ、道交法などと相互に絡み合い、現在の多様化した市場へと成長を遂げてきた。



※1 2004年7月1日より、18才以下は簡単な講習が義務づけられ、受講終了書が発行される。



鋤田 いたる


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